助教
研究分野
建築史,建築意匠
建築史,建築意匠
現代建築論,建築デザインスタジオ,建築計画の基礎,インテリアデザインの基礎
千葉県成田市
古書,読書,落語鑑賞
建築のデザインをメディアの観点から研究しています。建築の書物は,古くから建築界の重要な表現手段のひとつとなり,社会的な嗜好を育む役割も果たしてきました。その歴史的な展開を検証する建築出版活動研究の方法論の確立をめざしています。
私たちの先達たる建築家や建築学徒は,明治期から建築の本づくりに熱心に取り組んできました。欧米建築の様式や技術の移入,あるいはモダニズムの推進には,雑誌や図集が不可欠だったからです。そうした出版活動の系譜を描き出すことによって,建築のつくり手の志向ばかりでなく,使い手の嗜好もふくめて建築デザインの展開プロセスを解き明かそうとしています。それは,書物からWEB,SNSへとメディアが拡張するなかで,明日の建築像を占うことにもなるでしょう。
中学の木工授業で折りたたみ椅子をつくった際に,自分で描いた2次元の図面から3次元の造形が生まれるおもしろさに惹かれ,建築や都市をデザインしてみたいと思いました。
大学入学後に名建築を少しずつ見学するなかで,空間を体験して背筋がぞくぞくするような感動を味わうようになります。こうした目覚めが遅かった私ならば,建築の感動を分かりやすく伝えられるかもしれないと安易に考え,大学院の修了後に建築専門出版社に入社しました。著者は,日本を代表する建築家や建築学者ばかりで,みなさん本づくりが大好きです。超一流の先生がたと膝を突き合わせての本づくりは,代えがたい建築経験となりました。
大学の恩師の先生がたとも著者と編集担当としてお付き合いがつづくなかで,大学院時代の研究をまとめてみないかと勧められ,大学の世界に戻ってきました。
美しい本に接することです。学生時代は神保町の古書店街に毎日通い,戦前期の古書は手触りで年代が当てられるほどでした。どうしても手に入らなかった本の一部は,前職の出版社で再刊し,名著という文化財の継承を試みることになりました。
近年は落語のおもしろさにようやく目覚め,寄席にも足を運んでいます。噺家さんの奥深い名人芸を,見事に活字化する編集者の名人芸に舌を巻いています。
ライフワークと出会える確率が最も高い学科ではないでしょうか。卒業生の多くは建築を仕事とし,ほかの分野に進んでも建築の思考を個性として活躍しています。建築を好きになると,建築がもっと楽しくなり,より深く学び,さらに豊かな環境づくりにつながる……。そんな好循環に巻き込まれることをぜひ楽しんでください。